窓ガラスフィルムの「5年保証」。その5年間、何を保証してくれるのでしょうか?
2026/10/05
こんにちは、Rossiです。
以前、5月18日のブログで、窓ガラスフィルムの保証についてお話ししました。
その中で、メーカー保証は製品によって異なること、そして保証期間の長さだけで施工店を判断することには注意が必要だとお伝えしました。
今回は、その続きです。
窓ガラスフィルムの施工業者を探していると、「5年保証」という表示を目にすることがあります。
保証期間が長いと、安心できそうですよね。
しかし、メーカー保証が3年のフィルムに対して、施工店が5年保証を掲げていた場合、4年目と5年目はどうなるのでしょうか。
私は以前、窓ガラスフィルムの材料販売に携わっていた頃、この問題に何度も直面しました。
その5年間、何を、誰が、どこまで保証してくれるのでしょうか。
今回は、実際に経験した事例も交えながら、もう少し踏み込んで考えてみたいと思います。
1.メーカー保証は、すべてのフィルムで同じではありません
まず、知っておいていただきたいことがあります。
窓ガラスフィルムのメーカー保証期間は、製品によって異なります。
一般的に、透明飛散防止フィルムや内装用フィルムには5年間のメーカー保証が設けられている製品があります。
一方、遮熱・断熱・目隠し・防犯フィルムなどでは、メーカー保証が3年以下となる製品もあります。
具体例を挙げましょう。
サンゲツのフィルムでは、透明飛散防止フィルムのメーカー保証が5年であるのに対し、高領域UVカットフィルムは3年となっています。
どちらも見た目はほとんど同じ透明なフィルムです。
しかし、メーカー保証には2年間の違いがあります。
もちろん、保証期間や条件はメーカーや製品によって異なりますので、実際には採用する製品ごとの保証規定を確認する必要があります。
ここで、一つの疑問が生まれます。
メーカー保証が3年のフィルムに対して、施工店が5年保証を掲げていたら、4年目からの2年間はどうなるのでしょうか。
2.「技術力が高い」「自社責任施工」では、説明になりません
施工業者のホームページには、さまざまな強みが紹介されています。
「高い施工技術」
「経験豊富な職人」
「自社責任施工」
いずれも、施工業者を選ぶ際の判断材料になるでしょう。
しかし、それらと保証期間は別の問題です。
どれほど施工技術が高くても、製品そのものに不具合が発生する可能性をゼロにはできません。
また、自社で施工しているからといって、メーカー保証の期間が延びるわけでもありません。
例えば、メーカー保証が3年の断熱フィルムを施工し、4年目に製品自体の不具合が発生したとします。
その際に、
「当社は施工技術が高いので安心です」
「自社責任施工なので安心です」
と説明されても、4年目の不具合にどう対応するのかという疑問への答えにはなりません。
施工技能の高さと、保証を履行する能力は別の問題なのです。
施工店がメーカー保証を超える期間を独自に保証すること自体は可能でしょう。
ただし、その場合には、超過する期間について何を保証し、誰が費用を負担するのかを明確にする必要があります。
3.「製品の欠陥と認められた場合」とは?
保証の説明で、こんな条件を見かけることがあります。
「製品の欠陥と認められた場合、無償で再施工します」
一見すると、明確な説明のように思えるかもしれません。
しかし、ここでも確認していただきたいことがあります。
誰が、何を根拠に、製品の欠陥だと認めるのでしょうか。
メーカーでしょうか。
施工店でしょうか。
それとも、第三者でしょうか。
フィルムに不具合が発生しても、その原因が製品にあるのか、施工にあるのか、使用環境にあるのか、簡単には判断できない場合があります。
原因を特定できなかったときには、どうなるのでしょう。
また、施工不良だった場合には、製品不良とは別の保証が適用されるのでしょうか。
「5年保証」と書かれていても、保証対象となる条件が分からなければ、実際にどのような対応を受けられるのかは判断できません。
保証期間の長さだけでなく、保証が適用される条件も重要なのです。
4.材料販売の立場で、何度も経験したこと
私は以前、窓ガラスフィルムの材料販売に携わっていました。
その頃、メーカー保証が終了した4年目になって、不具合について相談してくる施工店がありました。
なかには、
「実は2年目から不具合が発生していた」
として、メーカーに費用負担を求めるケースもありました。
もちろん、本当に2年目から不具合が発生していた可能性はあります。
しかし、保証期間内に不具合が発生していたことを確認できる記録がなければ、メーカーとして簡単に保証対応を認めるわけにはいきません。
私も、報告時期や確認できる事実を踏まえ、求償をお断りしたことが何度もありました。
そこで困ったのが、その後の説明です。
お客様や関係者に対して、
「メーカーが対応してくれなかった」
「メーカーが保証から逃げた」
といった印象が伝わることがあったのです。
しかし、ここは分けて考える必要があります。
メーカーの保証と、施工店がお客様に独自に約束した保証は、別のものです。
施工店がメーカー保証を超える5年間を約束したのであれば、その超過期間について、どのような責任を引き受けるのかを明確にしておく必要があります。
メーカーが保証対象外と判断したからといって、施工店独自の保証まで自動的になくなるわけではありません。
もちろん、施工店の保証も、その契約条件に従って判断されます。
だからこそ、お客様には、その条件を事前に確認していただきたいのです。
5.保証を約束することと、保証を履行できることは違います
私が知る事例では、施工後4年目に発生した不具合の貼り替えによって、施工店が100万円以上の費用を負担したことがありました。
その会社が、その後どうなったのかまでは分かりません。
ただ、小規模な施工店にとって、100万円を超える突然の支出がどれほど重いかは、想像に難くありません。
フィルムの貼り替えには、新しい材料費だけでなく、既存フィルムの撤去費や再施工費などもかかります。
大規模な現場であれば、その負担はさらに大きくなることがあります。
施工店が独自に長期保証を設けることは可能です。
ただし、その場合には、保証期間中に発生する不具合への対応費用を、あらかじめ考えておく必要があります。
保証を約束することと、その約束を最後まで果たせることは、別の話です。
長期保証があるというだけで、将来の対応が必ず確保されるわけではありません。
これは施工店の経営上の問題であると同時に、お客様にとっても大切な問題だと思います。
6.保証について、細かく質問されるお客様は多くありません
ここまでお読みになって、
「そんなことまで確認しなければならないの?」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実際、私の経験でも、保証について細かく質問されるお客様は多くありません。
保証の話題がほとんど出ないまま、工事が決まることもあります。
お客様にとって、フィルムの種類や施工金額、工事日程など、確認しなければならないことはほかにもたくさんあります。
保証書の細かな条件まで気が回らないのも、無理はないでしょう。
だからこそ、私は施工店側の説明が重要だと考えています。
お客様が質問しなかったからといって、保証条件を説明しなくてよいわけではありません。
「5年保証」という数字をホームページで大きく掲げるのであれば、その5年間に何を約束しているのかも、分かりやすく示していただきたいのです。
保証期間だけが目立ち、保証対象や適用条件、責任の所在が分かりにくい。
それでは、お客様が保証の内容を正しく理解することは難しいでしょう。
保証とは、万一のときに初めて必要になる約束です。
そのときになって、お客様と施工店の認識が食い違うことは、できる限り避けたいものです。
7.契約前に、ぜひ確認していただきたいこと
長期保証を掲げる施工店に依頼する際には、次の点を確認してみてください。
① 採用するフィルムのメーカー保証は何年間ですか?
メーカー保証は製品によって異なります。まずは、実際に施工する製品の保証期間を確認しましょう。
② メーカー保証が終了した後は、どうなりますか?
例えば、メーカー保証が3年で施工店保証が5年の場合、4年目と5年目は誰が責任を負うのかを確認してください。
③ 何が保証対象になりますか?
剥がれ、気泡、変色など、どのような不具合が対象になるのか。施工不良と製品不良は、それぞれどう扱われるのかを確認しましょう。
④ 不具合の原因が分からない場合は、どうなりますか?
製品の欠陥と認定された場合だけが保証対象なのか。認定できなかった場合には、どのような対応になるのかも重要です。
⑤ 無償対応には、どこまで含まれますか?
新しいフィルムの材料費だけなのか。既存フィルムの撤去費や再施工費まで含まれるのか。具体的な範囲を確認してください。
そして、これらの内容を保証書や契約書などの書面で確認できれば、より安心です。
質問することは、施工店を疑うことではありません。
お互いの認識を一致させ、万一のトラブルを防ぐための確認です。
8.当社が「最長5年保証」としている理由
高伸プランニングでは、保証期間を「最長5年」と表示しています。
これは、当社が独自にすべての製品を5年間保証しているという意味ではありません。
当社の保証期間は、メーカー保証に準じています。
メーカー保証が5年の製品は5年。
メーカー保証が3年の製品は3年。
製品によって保証期間が異なるため、「最長5年」と表示しているのです。
先ほどご紹介したサンゲツの例でも、見た目がほとんど同じ透明フィルムでありながら、透明飛散防止フィルムと高領域UVカットフィルムでは、メーカー保証期間が異なります。
当社では、その違いを無視して、一律に5年保証とはしていません。
保証期間を独自に延長するのではなく、採用する製品の保証条件を正確にお伝えする。
それが当社の方針です。
もちろん、施工店が独自に保証を延長すること自体を否定するものではありません。
ただし、その場合には、メーカー保証が終了した後の責任についても、明確な説明が必要だと考えています。
9.保証は、年数だけで選ばないでください
5年保証だから安心。
3年保証だから不安。
そんな単純な話ではありません。
保証期間の長さは、施工技術の高さを証明するものではありません。
そして、保証期間の長さだけでは、その保証がどのように履行されるのかも分かりません。
大切なのは、数字ではなく、約束の中身です。
何を保証するのか。
誰が不具合の原因を判断するのか。
メーカー保証が終了した後は、誰が責任を負うのか。
そして、万一の際に、どこまで無償で対応してもらえるのか。
そこまで理解して初めて、保証の内容を比較できるのだと思います。
最後に、施工業者から「5年保証です」と説明されたら、ぜひ一つ質問してみてください。
「このフィルムのメーカー保証は何年ですか? メーカー保証が切れた後は、どうなるのですか?」
その説明を聞いたうえで、保証の内容に納得できる施工店を選んでいただきたいと思います。
-Rossi
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