非常用進入口と窓ガラスフィルム
フィルムを貼っても大丈夫? 建築基準法との関係を解説
非常用進入口とは
建物の窓に貼られている、赤い逆三角形のマークをご覧になったことはありませんか?
このマークは、火災などの非常時に消防隊が建物内部へ進入するための開口部を示しています。
消防隊は、必要に応じてこの窓のガラスを破壊して建物内へ進入します。ただし、外部から開放できるハンドルなどが設けられている場合は、ガラスを破壊せずに進入することもできます。
非常用進入口は建築基準法令に基づいて設けられるもので、主に建物の3階以上の階が対象となります。ただし、建物の構造や開口部の条件などによって、設置の取扱いは異なります。
いずれの場合も、消防隊が迅速に建物内へ進入できることが重要です。
そのため、窓ガラスフィルムを施工する際には、ガラスの破壊や消防隊の進入を妨げないかどうかを確認する必要があります。
※厳密には、赤い三角マークは「非常用進入口に代わる開口部」を示す標識です。本ページでは、わかりやすさを優先して「非常用進入口」と総称しています。
非常用進入口にフィルムを貼ってもよいのか?
非常用進入口への窓ガラスフィルム施工が、一律に禁止されているわけではありません。
ただし、フィルムを貼ることでガラスが破壊しにくくなり、消防隊の進入に支障をきたす可能性があります。
そのため、フィルムの種類や厚さ、ガラスの構成などを考慮して、施工の可否を判断する必要があります。
特に防犯フィルムなど、ガラスの破壊に対する抵抗力を高める製品については注意が必要です。
消防法との違い
非常用進入口と、消防法令における「有窓階・無窓階の判定」は、消防隊の活動に関係する制度ですが、根拠となる法令が異なります。
非常用進入口:建築基準法令に基づくもの
有窓階・無窓階の判定:消防法令に基づくもの
非常用進入口については、建物所在地の自治体の建築行政担当部署が相談先となります。
一方、有窓階・無窓階の判定については、建物を管轄する消防署へ確認します。
どのようなフィルムなら施工できるのか?
非常用進入口へのフィルム施工については、東京消防庁が定める有窓階・無窓階判定基準に準じて判断されることが多くあります。
この基準では、フィルムの基材の種類や厚さ、積層構造などによって、次のように区分されています。
区分フィルムの仕様
A区分PET基材100μm以下(多層積層品を除く)
A区分PVC基材400μm以下
B区分PET基材100μm超~400μm以下(多層積層品を除く)
B区分PET基材100μm以下の多層積層品
※ここでいう厚さは、粘着剤などを含む製品全体の厚さではなく、フィルム基材の厚さを指します。
ただし、A区分だから必ず施工できる、B区分だから施工できない、という意味ではありません。
実際には、ガラスの種類や厚さ、構成などとの組み合わせによって判断されます。
参考資料・お問い合わせ先
東京消防庁のフィルム取扱基準については、以下の資料をご参照ください。
なお、東京消防庁の基準が全国一律に適用されるわけではありません。
非常用進入口へのフィルム施工について不明な点がある場合は、建物所在地の自治体の建築課・建築指導課・建築審査課など、建築行政を担当する部署へお問い合わせください。