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地震対策は「ガラスを強くする」ことではありません ~厚いガラスや強化ガラスに交換しても、地震による破損対策になりにくい理由 ~

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地震対策は「ガラスを強くする」ことではありません ~厚いガラスや強化ガラスに交換しても、地震による破損対策になりにくい理由 ~

地震対策は「ガラスを強くする」ことではありません ~厚いガラスや強化ガラスに交換しても、地震による破損対策になりにくい理由 ~

2026/09/14

こんにちは、Rossiです。

 

今回は、地震と窓ガラスについて、少し踏み込んだ話をします。

地震で窓ガラスが割れるのが心配なら、

「もっと厚いガラスに交換すればいいのでは?」

あるいは、

「強化ガラスにすれば、地震にも強くなるのでは?」

そう考える方もいらっしゃると思います。

確かに、ガラスの板厚を上げれば強度は上がります。

強化ガラスも、一般的なフロートガラスより高い強度を持っています。

ところが、地震による窓ガラスの破損を考える場合、ガラスそのものの強度を上げることが、そのまま有効な地震対策になるとは限りません。

なぜでしょうか。

理由は、地震で窓ガラスが割れる仕組みにあります。

 

地震でガラスを割るのは「サッシ枠の変形」

以前このブログで、地震と台風ではガラスの破損メカニズムが異なるという話を書きました。

台風では、飛来物がガラス面に衝突することで破損することがあります。

一方、地震では建物そのものが揺れます。

建物が変形すると、それに伴って窓のサッシ枠も変形します。

四角かったサッシが、揺れによって平行四辺形のように変形するイメージです。

このとき、ガラスはサッシの中でわずかに動きながら、枠の変形を逃がそうとします。

これを**「ロッキング」**といいます。

しかし、サッシの変形が大きくなり、ガラスが動ける範囲を超えると、ガラスの端部が枠の影響を受け、やがて破損につながります。

つまり地震の場合、

「ガラスが弱いから割れる」

と単純に考えることはできないのです。

 

だから、ガラスを厚くしても解決しない

例えば、3mmのガラスを5mmや6mmに交換すれば、ガラス単体としての強度は上がります。

しかし、地震によってサッシ枠が変形するという条件そのものが変わるわけではありません。

ガラスがどれだけ厚くても、枠の変形を逃がしきれず、ガラスとサッシとの関係で無理な力が加われば破損する可能性があります。

地震対策という目的だけで考えるなら、

「板厚を上げれば安心」

とは言えないわけです。

 

強化ガラスなら大丈夫?

では、さらに強度の高い強化ガラスならどうでしょう。

これも基本的な考え方は同じです。

もちろん、強化ガラスそのものに意味がないわけではありません。

強化ガラスには強化ガラスの特性があり、その特性を必要とする場所では有効です。

ただ、

「地震で割れにくくするために強化ガラスへ交換する」

という話になると、少し違います。

地震による破損の原因が、ガラス単体の強度だけではなく、建物とサッシの変形にあるからです。

強いガラスに替えれば、地震による窓ガラス破損の問題が解決する――。

私はそのようには考えていません。

 

実は、FIX窓と開閉できる窓でも違います

ここから少しガラス屋らしい話をします。

同じガラスでも、どのようなサッシに入っているかによって地震時の挙動は変わります。

例えばFIX窓。

いわゆる「はめ殺し窓」です。

一方、引違い窓などの開閉できるサッシには、窓を動かすためのある程度のクリアランスがあります。

この「遊び」があることで、建物側の枠が変形した際、その動きをある程度逃がすことができます。

そのため条件によっては、FIX窓よりも可動するサッシの方が、地震時にガラスが割れにくい場合があります。

「頑丈そうに固定されている方が地震にも強そう」

と思われるかもしれません。

しかし地震の場合、動けることが有利になることもあるのです。

 

横長より、縦長のガラスの方が割れにくい?

ガラスの形状も関係します。

一般に、地震によるサッシの変形に対しては、横長のガラスより縦長のガラスの方がロッキングしやすいという特徴があります。

縦長のガラスは、枠が変形した際にガラス自身が枠の中で転ぶように動き、変形を逃がしやすい。

一方、横長になるほど、その動きを取りにくくなります。

つまり、

同じ種類、同じ板厚のガラスでも、縦横の形状によって地震時の割れやすさは変わり得る。

これも「ガラスが強いか弱いか」だけでは説明できない部分です。

 

では、台風も同じなのか?

ここは分けて考える必要があります。

台風は別です。

台風では、強風によって飛ばされた物がガラス面へ直接衝突して破損することがあります。

特に飛来物対策については、主に建物の1階・2階などを想定して考えることになります。

こちらはガラス面に直接衝撃が加わるため、ガラスそのものの強度を高めることにも意味があります。

つまり、

地震=建物・サッシの変形

台風=飛来物によるガラス面への衝撃

では、考えるべき対策も違います。

「災害対策」という一言でまとめてしまうと、この違いが見えなくなってしまいます。

 

地震対策では「割れない」より「割れたあと」を考える

では、地震に対して窓ガラスはどう対策すればいいのでしょうか。

私は、一般住宅であれば、ガラスを厚くしたり強化ガラスへ交換したりして**「割れないようにする」ことだけを目指すより、割れた場合の被害を小さくする対策を考える方が現実的**だと思っています。

そこで選択肢のひとつになるのが、ガラス飛散防止フィルムです。

ここは誤解していただきたくないところですが、

飛散防止フィルムは、ガラスを割れなくするためのものではありません。

地震によってガラスが破損したとき、ガラス片が室内へ飛散したり、床に散乱したりすることを抑えるためのものです。

つまり発想としては、

「どうすれば絶対に割れないか」ではなく、
「割れたときに、どう被害を小さくするか」。

これが地震対策としての飛散防止フィルムの役割です。

 

フィルムだけを見ていると、見えないことがあります

私は窓ガラスフィルムの仕事に携わる以前、約10年間、ガラス工事に携わっていました。

今回お話しした、

サッシの変形。

ガラスと枠との関係。

FIX窓と可動サッシの違い。

ガラスの縦横比とロッキング。

こうした話は、フィルムの商品性能だけを見ていても、なかなか出てきません。

窓ガラスフィルムを考えるときも、まずそのフィルムを貼るガラスと窓そのものを見ることが大切だと私は考えています。

地震が心配だから、厚いガラス。

地震が心配だから、強化ガラス。

地震が心配だから、とにかく厚いフィルム。

そう単純な話ではありません。

その窓がどのような構造で、何が起きたときに、どのような危険があるのか。

そこから対策を考える。

地震対策についても、私はそれが一番大切だと思っています。

 

-Rossi

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