遮熱フィルムは意味ない? ― カット率と見た目に惑わされない、正しい選び方
2026/09/29
こんにちは、Rossiです。
今回は「意味ない?」シリーズです。
テーマは、遮熱フィルム。
「遮熱フィルムを貼ったのに、思ったほど涼しくならない」
「赤外線を90%以上カットするはずなのに、まだ暑い」
そんな経験や疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
せっかくお金をかけて施工したのに、期待していたほどの効果を感じられなければ、
「これ、本当に意味あるの?」
と思ってしまうのも無理はありません。
ただし、ここで一つ考えていただきたいことがあります。
その遮熱フィルムに、何を期待していたのでしょうか。
今回は、遮熱フィルムの性能と、私たちが抱きやすい期待とのズレについて考えてみたいと思います。
1.遮熱フィルムは、部屋を冷やす製品ではありません
まず、遮熱フィルムの基本的な役割から。
遮熱フィルムは、窓から入ってくる日差しの暑さを抑えるための製品です。
エアコンのように室内の空気を冷やすものではありません。
例えば、強い西日が差し込む窓に適切な遮熱フィルムを施工すれば、日差しによって室内に入る熱を減らすことが期待できます。
しかし、屋根や壁から伝わる熱、室内の家電や人が発する熱までなくなるわけではありません。
外気温が高ければ、日差しによる熱を抑えていても室内は暑くなります。
つまり、
「遮熱効果がある」ことと、「部屋が涼しくなると実感できる」ことは、必ずしも同じではないのです。
期待していたのが「フィルムを貼るだけでエアコンがいらなくなる」という効果なら、最初から期待が大きすぎるのかもしれません。
2.UVカットと遮熱を混同していませんか?
窓ガラスフィルムの説明で、よく見かけるのが、
「紫外線99%以上カット」
という表示です。
非常に高い数値ですよね。
ただし、紫外線をカットすることと、日差しによる暑さを抑えることは別の話です。
UVとは紫外線のこと。
紫外線をカットする性能は、主に日焼けや退色などへの対策として重要です。
一方、遮熱性能を考えるときには、赤外線だけでなく、可視光線なども含めた日射全体のエネルギーを考える必要があります。
「UVを99%カットするから、暑さも99%カットする」わけではありません。
透明で紫外線カット性能が高くても、遮熱性能はそれほど高くない製品があります。
UVカットを目的として選んだフィルムに、強い遮熱効果まで期待してしまう。
これも「意味ない」と感じる原因の一つかもしれません。
3.「赤外線カット率90%以上!」なら安心?
DIY向けの製品や、一部のメーカーの製品説明では、
「赤外線カット率90%以上!」
といった表示を見かけます。
この数字を見たら、どう感じるでしょうか。
「太陽の熱を90%以上カットしてくれるんだ!」
そう受け取ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、赤外線カット率と、日差しによる暑さをどれだけ抑えられるかは、同じ数字ではありません。
赤外線カット率は、測定対象とする波長範囲などによって数値が変わります。
また、太陽光には赤外線以外にもエネルギーが含まれています。
さらに、フィルムが日射を吸収して熱くなれば、その熱の一部は室内側にも伝わります。
したがって、
赤外線カット率90%=日差しによる暑さを90%カット、ではありません。
赤外線カット率という数値自体が無意味なのではありません。
その数値だけを見て、実際の遮熱性能まで判断してしまうことに問題があるのです。
4.真っ黒なフィルムほど、よく効く?
もう一つ、見た目による思い込みがあります。
スモーク系のフィルムです。
黒くて、室内が暗くなる。
いかにも日差しを遮ってくれそうですよね。
しかし、フィルムの色の濃さと遮熱性能は、必ずしも比例しません。
スモーク系には、日射を多く吸収する製品があります。
その場合、フィルムやガラス自体が熱を持ちます。
吸収した熱の多くは屋外側へ逃げますが、一部は室内側にも伝わります。
そのため、窓際に立つと、熱くなったガラスからの放射熱などを感じることがあります。
「こんなに黒いフィルムを貼ったのに、窓際が熱い!」
「本当に効いているの?」
そう感じても、不思議ではありません。
ただし、ガラスが熱くなっているからといって、遮熱効果がまったくないとは限りません。
施工前より、室内に入る熱を減らしている可能性はあります。
逆に、見た目が真っ黒だからといって、遮熱性能が高いとも限りません。
暗さと遮熱性能は別。ガラスの熱さと遮熱効果の有無も別。
見た目や体感だけで判断するのは、意外と難しいのです。
5.では、遮熱性能は何を見ればいいのでしょうか?
ここまで読んで、
「UVカット率でもない。赤外線カット率だけでもない。色の濃さでもない。じゃあ何を見ればいいんだ?」
と思われたかもしれません。
そこで、確認していただきたい数値の一つが、遮蔽係数です。
遮蔽係数とは、基準となる透明ガラスと比べて、日差しによる熱がどの程度室内に入るかを示す数値です。
専門的には、この熱を「日射熱」と呼びます。
同じ条件で比較する場合、数値が小さいほど日射熱を抑える性能が高いことを示します。
難しい計算式を覚える必要はありません。
大切なのは、
「赤外線を何%カットするか」ではなく、「日差しによる熱がどれだけ室内に入るか」を考えること。
ただし、遮蔽係数が小さければ、どんな窓にも最適というわけではありません。
明るさや眺望、ガラスの種類、熱割れのリスクなども考慮する必要があります。
遮熱性能は、数値が小さければ小さいほどよいという単純な話でもないのです。
6.同じフィルムでも、貼る窓によって結果は違います
もう一つ忘れてはいけないのが、窓の条件です。
例えば、夏の強い西日が長時間差し込む窓。
こうした窓では、日差しによる熱の流入を抑えることに意味があります。
一方、建物の陰になっていて、ほとんど直射日光が当たらない窓ではどうでしょうか。
同じフィルムを施工しても、日差しによる暑さを抑える効果を体感しにくいかもしれません。
また、もともと遮熱性能を備えたガラスにフィルムを追加する場合も、施工前の性能を踏まえて考える必要があります。
重要なのは、製品のカタログに書かれた数値だけではありません。
「その窓で、何を、どの程度改善したいのか」
ここを整理しないまま製品を選ぶと、期待と結果のズレが生まれやすくなります。
場合によっては、フィルムを貼らないという選択もあるでしょう。
7.遮熱フィルムは意味ない?
ここまで、遮熱フィルムが「意味ない」と感じられる理由を考えてきました。
UVカットと遮熱を混同していた。
赤外線カット率を、そのまま遮熱性能だと思っていた。
黒いフィルムほど効くと思っていた。
あるいは、フィルムを貼れば部屋そのものが涼しくなると期待していた。
こうした思い込みがあると、製品に本来備わっている性能と、お客様が期待する効果との間にズレが生まれます。
では、遮熱フィルムは意味がないのでしょうか。
いいえ。意味あるんです。
ただし、それには前提があります。
遮熱フィルムの役割を正しく理解すること。
窓の条件を確認すること。
そして、目的に合った製品を選ぶこと。
遮熱フィルムは、万能な暑さ対策ではありません。
しかし、日差しによる暑さが問題となっている窓に適切な製品を施工すれば、室内に入る熱を抑えるという役割を果たします。
「効果がある」と「期待したほどの効果がある」は、別の話です。
大きなカット率や、いかにも効きそうな見た目だけで選ばない。
まずは、その窓に何が必要なのかを考える。
それが、遮熱フィルムを意味のあるものにする第一歩だと思います。
-Rossi
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東京の暑さ対策は窓から。ガラスの種類に合わせた遮熱フィルムをご提案します。
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