高伸プランニング株式会社

遮熱フィルム比較レポート①

お問い合わせはこちら

遮熱フィルム比較レポート①

Heat shield test

透明遮熱フィルム4製品を同条件で比較してみました

透明遮熱フィルム4製品を同条件で比較してみました

テストのきっかけ

窓ガラスフィルムの性能を比較する際、多くの方はカタログに掲載された数値を参考にされます。

もちろん数値は大切です。

しかし実際の住環境では、数値だけでは分からないこともあります。

そこで今回は、透明遮熱フィルム4製品を同条件で比較し、実際の温度変化や体感の違いを確認してみました。

試験対象フィルム

№1)高性能透明遮熱フィルム  スリーエム Window Films NANO70S

№2)高性能透明遮熱フィルム  スリーエム Window Films NANO80S

№3)高領域UVカットフィルム サンゲツ CLEAS アンフェイド90(GF-1406) 

№4)ブランク(フィルムなし)

テスト対象フィルムの選定理由

今回の比較では、建築用窓ガラスフィルムの中でも、透明性を維持しながら遮熱性能を持つ製品を対象としました。

透明遮熱フィルムといっても、その性能バランスや設計思想は製品によって異なります。

そこで今回は、

・高い遮熱性能を重視した製品

・明るさとのバランスを重視した製品

・高透明性を重視した製品

・フィルム未施工ガラス

を比較対象として選定しました。

また、3M NANOシリーズについては、NANO70SとNANO80Sの2製品を選出しています。

同じシリーズでありながら、遮熱性能と可視光透過率のバランスが異なるため、性能差だけでなく、透明遮熱フィルムの考え方の違いを確認する目的もあります。

なお、本比較は「どの製品が優れているか」を決めることを目的としたものではありません。

フィルムによって熱の伝わり方やガラスの状態がどのように変化するのか、その傾向を確認するための自社簡易比較テストとして実施します。

試験体および試験方法

今回の比較テストでは、発泡スチロール製ボックスを用いた簡易試験体を製作し、各フィルムの温度変化を比較しました。

試験体仕様

【試験ボックス】

外寸:280mm × 200mm × 280mm

内寸:240mm × 160mm × 200mm

ボックス底面から高さ140mmの位置に温度センサーを設置

【試験ガラス】

透明フロートガラス 5mm厚

200mm × 300mmに各試験ガラスにフィルムを貼付

【試験方法】

フィルム施工面を下向きにして試験ボックス上面へ密着させ、蓋の役割を兼ねる構造としました。

また、各試験体に対する日射条件を可能な限り統一するため、太陽光がガラス面へ正対するようボックス全体の角度を調整しています。

ボックス内部温度の変化を測定するとともに、ガラス表面温度および体感による比較観察を行いました。

なお、本試験は当社独自の簡易比較テストであり、公的試験機関による性能試験ではありません。フィルムごとの温度変化や熱の傾向を確認することを目的として実施しています。

計測方法

各試験体を屋外の日射条件下へ設置し、太陽光がガラス面へできるだけ正対するよう角度を調整しました。

試験開始前に各試験体内部の初期温度を確認した後、5分間隔で60分間、ボックス内部温度を測定しています。

また、温度測定とあわせてガラス表面温度の確認および体感による比較観察も実施しました。

測定項目

・ボックス内部温度

・ガラス表面温度

・ガラス表面の体感温度

・各試験体の温度上昇傾向

試験条件

・測定日:2026年5月30日

・天候:快晴

・外気温:約32℃

・測定間隔:5分

・測定時間:60分

・日射条件:自然太陽光

なお、本試験は当社独自の簡易比較テストであり、公的試験機関による性能試験ではありません。

同一条件下におけるフィルムごとの温度変化や熱の傾向を比較・観察することを目的として実施しています。

計測結果

各試験体の内部温度を5分間隔で60分間測定しました。

試験開始時の内部温度はいずれも約39℃で、ほぼ同じ条件から測定を開始しています。

開始後は各試験体とも急速に温度が上昇し、30分前後で最高温度付近に到達しました。その後は大きな上昇は見られず、ほぼ横ばいで推移しています。

60分経過時点では、NANO70Sが61.7℃、NANO80Sが64.4℃、アンフェイド90が65.5℃、フィルムなしが67.2℃となりました。

今回の簡易比較テストでは、NANO70Sが最も内部温度の上昇を抑える結果となり、フィルムなしのガラスと比較して約5.5℃の差が確認されました。

ボックス内部温度の推移(表)

         試験前     5分  10分  15分  20分  25分  30分  35分  40分  45分  50分  55分  60分

NANO70S    39.1℃ 53.7℃ 60.1℃ 62.1℃ 62.6℃ 62.6℃ 63.2℃ 62.9℃ 62.3℃ 62.5℃ 62.7℃ 62.6℃ 61.7℃

NANO80S    39.2℃ 56.4℃ 62.6℃ 64.8℃ 65.6℃ 65.6℃ 66.1℃ 65.8℃ 65.3℃ 65.5℃ 65.5℃ 65.2℃ 64.4℃

アンフェイド90       39.3℃ 59.7℃ 64.7℃ 66.5℃ 66.8℃ 66.8℃ 67.7℃ 67.2℃ 67.0℃ 67.0℃ 66.9℃ 66.4℃ 65.5℃

フィルムなし     39.3℃ 59.7℃ 65.1℃ 66.9℃ 67.4℃ 67.5℃ 68.3℃ 68.0℃ 67.7℃ 68.1℃ 68.0℃ 67.7℃ 67.2℃

 ボックス内部温度の推移(グラフ)

各試験体とも30分前後で温度上昇がほぼ飽和し、その後は横ばいで推移しました。最も内部温度上昇を抑えたのはNANO70Sで、60分後の温度差はフィルム未施工ガラスと比較して約5.5℃でした。

試験中に気付いたことがあります。

試験中に気付いたこと

今回の試験では、ボックス内部温度の測定を主目的としていました。

ところが測定中、各試験体のガラス表面を確認していた際に、ひとつ気になる現象がありました。

最も内部温度上昇を抑えていたNANO70Sのガラス表面が、予想以上に熱く感じられたのです。

私自身は業界経験上ある程度予想していた現象でしたが、同席していた妻はガラスに触れた瞬間、

「遮熱するとガラスってこんなに熱くなるんだ」

と驚いていました。

窓ガラスフィルムに詳しくない方にとっては、むしろ自然な感想かもしれません。

一般的には、

「遮熱フィルムを貼る=ガラスも涼しくなる」

というイメージを持たれることが多いからです。

しかし実際には、遮熱フィルムは日射熱を反射するだけでなく、一部を吸収することで遮熱性能を発揮しています。

そのため、フィルムやガラスが熱を持つことがあります。

試験を続ける中で、私の中にひとつの疑問が生まれました。

この熱はどこへ行くのでしょうか。

そこで60分の測定終了後、各試験体に遮熱シートを被せ、内部温度の変化を引き続き観察してみることにしました。

ガラスに溜まった熱はどこへ行くのでしょうか

60分の測定終了後、各試験体に遮熱シートを被せ、内部温度の変化を観察しました。

試験中に感じた疑問を確かめるため、60分の測定終了後に追加観察を行いました。

方法はシンプルです。

各試験体に遮熱シートを被せ、太陽からの日射を遮断した状態で、引き続きボックス内部温度の変化を測定しました。

もしガラスやフィルムに蓄えられた熱の量に違いがあるのであれば、その後の温度変化にも何らかの違いが現れるのではないかと考えたためです。

今回の試験は、もともとここまで行う予定ではありませんでした。

しかし実際に測定していると、数値だけでは分からない疑問や発見が生まれることがあります。

そこで急遽、測定時間を延長し、各試験体が蓄えた熱の行方を観察してみることにしました。

果たして、内部温度上昇を最も抑えたNANO70Sは、その後どのような温度変化を示したのでしょうか。

まずは測定結果をご覧ください。

ボックス内部温度の推移(表)

遮熱シートで日射を遮った後の変化

        60分   65分   70分   75分   80分

NANO70S   61.7℃   51.6℃  48.6℃  47.4℃  46.6℃

NANO80S   64.4℃   51.9℃  48.5℃  47.1℃  46.3℃

アンフェイド90   65.5℃   50.6℃  47.6℃  46.8℃  46.3℃

フィルムなし    67.2℃   51.3℃  48.0℃  46.8℃  46.2℃

 ボックス内部温度の推移(グラフ)

各試験体とも日射を遮断すると急速に温度が低下し、80分時点ではほぼ同じ温度となりました。

しかし私たちが本当に気になったのは、温度計には現れないガラス表面の熱さでした。

考察

数値だけでは見えないこと

今回の簡易比較テストでは、透明遮熱フィルムであっても製品によって温度上昇の傾向に違いがあることが確認できました。

60分間の温度測定では、NANO70Sが最も内部温度上昇を抑える結果となりました。一方で、アンフェイド90やフィルム未施工ガラスとの温度差は、想像していたほど大きなものではありませんでした。

また、60分経過後に遮熱シートで日射を遮断すると、各試験体の温度差は急速に縮まり、80分後にはほぼ同じ温度となりました。

今回の試験から感じたのは、窓ガラスフィルムの遮熱性能は単純な温度差だけでは語れないということです。

実際の窓まわりでは、

・フィルムがどれだけ日射熱を反射するのか

・ガラスがどれだけ熱を蓄えるのか

・その熱がどのように放出されるのか

・人がどのように暑さを感じるのか

といった複数の要素が関係しています。

今回の比較テストは、その一端を確認できた試験だったように思います。

そして試験中、私たちはもうひとつ興味深い現象に気付きました。

それは、内部温度だけでは説明できない「ガラス表面の熱さ」です。

夏の日差しを受けた窓ガラス、触ったことありますか?

ガラスが熱いことにも理由があります

今回の試験を通じて、あらためて感じたことがあります。

それは、

「遮熱性能が高い=ガラスが冷たい」ではない

ということです。

実際の試験では、内部温度上昇を最も抑えたNANO70Sのガラス表面が、最も熱く感じられました。

もちろん、これは製品の良し悪しを意味するものではありません。

遮熱フィルムは、日射熱を反射するだけでなく、一部を吸収することで遮熱性能を発揮しています。

そのため、フィルムやガラスが熱を持つことがあります。

普段、ご自宅の窓ガラスを触る機会はあまりないかもしれません。

しかし夏の日差しを受けた窓ガラスに手を当ててみると、思った以上に熱くなっていることがあります。

実は、その熱も窓まわりの快適性を考えるうえで大切な要素のひとつです。

窓ガラスフィルムを選ぶ際は、カタログに掲載された遮熱性能だけでなく、

・ガラスとの組み合わせ

・ガラスが持つ熱

・室内への熱の伝わり方

・窓際で感じる快適性

といった視点も大切になります。

今回の試験は、その一端をあらためて考えるきっかけとなりました。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。